映画「The Son 息子」を観て、親子の向き合い方と対話の大切さを改めて考えました。
2023年に公開された『The Son 息子』は、初監督作『ファーザー』で第93回アカデミー賞®脚色賞を受賞した映像作家フロリアン・ゼレール監督の第二弾の作品。
【あらすじ】
政治家に頼りにされるほど優秀な弁護士ピーターは、再婚した妻と産まれたばかりの子どもと3人で充実した日々を過ごしていた。ある日、前妻と同居している17歳の息子ニコラスから「父さんと一緒にいたい」と懇願される。息子を受け容れて一緒に暮らし始めるが、次第に父と息子は激しく言い争うようになる。「なぜ人生に向き合わないのか?」と問う父親。そして、息子ニコラスはある決断をする・・・
映画の結末は衝撃的であるが、
『誰にだって分からないことってある』
『分からなくてもいい』
というメッセージが込められている。
いま、世界中で子どもたちのメンタルヘルスの不調が相当深刻な問題になっている。
子どもだからこそ、現代社会の不穏さに敏感に反応しているのではないだろうか。
日本では『メンタル』というだけで、どこかタブー視されてしまう風潮がある。
しかし、もはやそんな他人ごとではいられない時代になったのではないだろうか
わたし達の生活や、わたしたちの人生は、実はそもそも「分からないこと」ばかりだ。
「分からないことを認めることが大事」
と言われるが、自分が理解できないことを「分からない」と認めることは
そんなに簡単なことではない。
自分と向き合い、自分の「分からなさ」を認めるには他者との『対話』が必要だ。
誰にも諭されず、それは違うよ、と言われない公平な平場(ひらば)で 「実は分からないんだ」と言えること
「そうだよね、分からなくていいよね」と言ってもらえること
そんな第三の居場所が、子ども達には絶対に必要なのだ。
どの家庭も、一つや二つの闇を抱えている。 幸せそうに見えていても、順風満帆な家族ばかりではない。
いままで心に蓋をしてずっと溜め込んできた「感情」に名前を付けること
そして、自分と向き合う訓練を少しずつ積み重ねていかなければ
人はこれからも迷い続けてしまうだろう・・・
対話をすることで、人は自分の感情を知り、その意味を学ぶ。
そして、自分自身を信じる力を獲得することができるのだ。
映画「The Son」公式サイトより抜粋
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※ネタバレが満載なので、ぜひ本編を視聴した後に見てほしい。
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